冷凍庫内の温度が上がりファイザー製ワクチン最大1000回分がダメになったというニュース、あれの続報が出ました。
製造元の方で徹底的に原因を究明したそうですが、一切異常はなかったそうです。
異常はどうやら運用法、つまり現場での使い道にありました。
報道によると、特製冷凍庫はコンセントから二股ソケットか延長コードかでほかの通常冷蔵庫と2口で挿さっており、これが原因で電力が足りなかったようです。
わかってしまえば「あっ」と声が上がるような単純なミスかもしれません。
でも病院の検査室などは、部屋に作りつけてあるコンセント数では明らかに足りないような大量の検査機器が所狭しと並んでいます。
皆さんもPC周りの電源事情を一目見れば理解できるでしょう。
何口かに分けるタップを使うのは感覚的には普通のことなのです。
それに報道では2口のコンセントから冷蔵庫と一緒に電源を取っていたという事でした。
ということは、特殊冷凍庫がくる前は冷蔵庫で1口専用で取っていたはずです。
それなりに気を使っていた所であろうことは窺えます。
ただでさえ通常業務とコロナ業務で目が回りそうなのに、今度はワクチン接種の仕事が上乗せされます。
当然人員の補充はありません。
国からは是非やれ根性でやれの一点張りで労基法もへったくれもありません。
電気喰らいのでかい箱がやってきますが置き場所にも電源にも困ります。
経営がすでに崖っぷちから転げ落ちてる状況で、専用にコンセントの増設なんてやってる余裕はありません。
実際に繋いだのが病院の人なのか業者なのかは知りませんが、これで管理責任を問う方がいるならまずその人が率先してチェックして回ればよろしい。
病院側にはとっくに余裕なんぞないのです。
病院にはもっと注力すべきポイントがあるのです。
考えが足らなかったといえばそうかもしれませんよ?
でもそれは失敗をして初めて気付く常識かもしれません。
コロンブス以前になんで西航路を考えつかなかったと責めてるようなもんです。
後でならなんとでも言える、という奴です。
やってしまったものはしようがありません。
問題はこの戦訓をどう活かすかです。
電力やらコンセントの口やらが足りないところには、自治体の補助で電気工事をしなければならないかもしれません。
なんで気づかなかったと発言した人達を徴発して24時間冷凍庫を監視させる法律も必要かもしれません。
医療従事者の方々への過負荷を抑える方策もいるでしょう。
今後似たような事が起こらないような体制を、現場の犠牲ではなくシステムとして整えられたなら、今回の一件は長期的に役に立ったと言えます。