何年くらい前でしょうか、
人気番組「鉄腕DASH」でウニが増えすぎて困っているという話がありました。
ムラサキウニという種のウニが増えすぎて、磯を荒らしているというものです。
ウニというものは食欲旺盛だそうで、磯に自制する海藻を片っ端から食べてしまうそうです。
海水温上昇のためなのか、増えすぎたムラサキウニが寄ってたかって海岸の海藻という海藻を食べ尽くしてしまい、磯はさながらイナゴが通り過ぎた後のようになっていたとか。
しかもムラサキウニって実入りがよくないそうで商品価値も低いそうです。
どうしようもない厄介者です。
番組中では人海戦術でこのムラサキウニを回収して回っていました。
そして回収されたウニを養殖して商品価値を上げられないかという事で、様々な餌を与えていました。
その中で一番食いっぷりが良かったのがキャベツです。
その土地はキャベツの産地でした。
キャベツは生産調整される事が多く、立派な玉ができていても価格調整の為よく廃棄されます。
仕方ない話ではありますが、どうしても勿体ないという思いは拭えません。
この勿体ないが、厄介とうまく噛み合いました。
キャベツをもりもりと食べて養殖されたウニは、身がしっかり入るようになりました。
しかも甘味が増し、苦味が抑えられるというオマケもついてきました。
この養殖法を確立した神奈川県三浦では「キャベツウニ」という登録商標を取得し、すでに地元スーパーで販売もされているそうです。
同様の取り組みが全国にも広まっています。
山口県では廃棄されるトマトやアスパラガス、愛媛県では特産のブロッコリーを用いて駆除対象のウニの養殖が始まっています。
お互い単体では利益を生み出せなかった厄介と勿体無いが、意外な形で合体し大きな利益を生み出そうとしています。
我々が気付いてないだけで、0+マイナス=大儲けの錬金術のレシピというものはまだ無数存在しているのかもしれません。
安く手に入るもの、カネを出してでも引き取ってもらいたいものなどを短冊にでも書き出しランダムに引いて組み合わせてみたら、もしかして大発見が出てくるかもしれません。