とっさの時の即応力

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土曜日の夕方、私は動画サービス「新日本プロレスワールド」でプロレスの大会を視聴していました。
プロレス団体である新日本プロレスリングはこの時期東北を中心に巡業をしています。
その日は宮城県仙台市のゼビオアリーナ仙台で試合が行われていました。

 

ここは新しい会場で、アリーナ中央に大型マルチディスプレイ、外周にも電光掲示板が設置されておりとても雰囲気のあるところです。
このご時世の建物らしく、約30分で会場の空気をすべて入れ替えられるだけの換気設備も整っています。マディソンスクエアガーデンを彷彿とさせると言えば伝わるでしょうか?
今はまだ入場制限のため果たせませんが、この会場を埋め尽くした満員のお客様の歓声が響き渡る様を想像するだけで心躍るものがあります。

 

18時頃だったでしょうか?リング上では3対3のタッグマッチが始まったばかりでした。
カメラが、照明が、そして会場全体が揺れました。
この時、宮城県沖を震源とするM6.9の地震が発生し、広い範囲で震度5前後の揺れが起こりました。
ゼビオアリーナも震度4相当の揺れがあったそうです。

 

当然試合は中断されましたが、こういう時一番危険なのがパニックです。
お客様がパニックに陥って我先に出入り口に駆け込んだりすると、出さなくていい被害が出たりします。
まずはお客様を冷静に、落ち着かせる事が肝要です。

 

まず真っ先にリングの外にいた現IWGP・IC二冠王者飯伏幸太選手がお客様を落ち着かせに客席最前列に向かいます。
続いてリング内で戦っていたNEVER王者棚橋弘至選手もファンに声をかけにいきます。
状況がよくわからないなかレスラーの側だって不安でしょうが、まずは混乱を抑えることが最優先です。
オカダ・カズチカ選手も加わり事態の収拾を図ります。

 

津波の危険性や会場設備の安全確認など都合30分弱の中断があったでしょうか。
その間3人はパフォーマンスを行ったり写真撮影に応じたりして場をつなぎました。
決して普段からこういう事態を想定していたわけではないと思いますが、機転をきかせ意識を自分たちに向けさせることで地震への不安を消すことに成功しました。

 

その後大会を続行した事については、ひょっとしたら賛否あるかもしれません。
安全第一ならそのまま大会中止という選択肢があった事も事実です。
顧客満足度や中止にしたときの不満混乱を秤にかけ続行したものと思いますが、万一この後もう一度地震が来てお客様にケガでもさせた日にはこの判断が痛手になった可能性もあります。
難しい判断です。結果オーライで済ます話でもないのかもしれません。

 

ですが、予想していなかった事態に直面してすぐに最善を尽くしたレスラー達の判断力と行動力は称賛されていいと思います。
非常時に一番の要点を見極め、そこを押さえる。
これは誰にでもできる事ではありません。
出来ることなら是非見習いたいと感じます。

 

なお、試合が再開されて戻ってきた対戦相手が、どさくさに紛れて掻っ攫っていった飯伏選手と棚橋選手のベルトを巻いてまるで自分が王者のごとくウキウキで入場してきたのにはクスリとさせられました。
こちらの選手も只者ではなさそうです。