平時と緊急時/4/6FX損益-24,028円

新型コロナ用のワクチンが国内に出回らない理由のひとつに、国産ワクチンの開発が進んでいない現状があります。
どこの国もまず自分の国のぶんのワクチンを急いで確保したいのです。
ファイザー社等のある米国なんて、本来とても他国の事に構っていられない有様なのは誰にでもわかります。
輸出分は、制限とはいわないまでも二の次三の次としたいのは本音でしょう。
やはり安定した供給が必要ならば、国産で賄うことが必要です。

 

では、なぜ国産ワクチンの開発が進まないのか。
塩野義製薬の手代木功社長へのインタビューがありました。

 

まず、日本には不活化ワクチンという昔ながらの技術しかありませんでした。
卵で培養したウイルスを不活化するという、教科書に載っているような手法です。
新型コロナウイルスには、この手法が一切使えなかったそうです。
対して海外の製薬企業では遺伝子組み換えやウイルス複製の阻害などの技術が進んでいて、圧倒的な開発速度がありました。
しかも、それでも通常は3年とか5年とかかかるものを1年弱で製品化してしまったのです。

 

日本でもそのバイオ技術を導入すればいいじゃないかと考える向きもあるでしょうが、事はそう簡単にはいきません。
新技術を育てるには、カネとモノと、そして人が要ります。
そしてそれを下支えする制度が絶対に必要です。
平時の過当競争に明け暮れる状況下で勝手に生えてくるような類いのものではありません。
国と企業と研究機関が一体となって時間をかけ計画的に育てる必要があるものです。

 

また、ファイザー社などのワクチンが高い有効性を示したことで、後発メーカーが治験をする事が大変難しくなっています。
薬の有効性を確かめるための試験にプラセボ(効果のないニセ薬)との大規模な比較試験をする必要があるのですが、その試験が難しくなっているのです。
それはそうでしょう、ニセ薬を飲む側はいわば丸裸で新型コロナの驚異に晒されるわけです。
有効なワクチンがない時は仕方ないで済まされたかもしれませんが、今ではただただデメリットしかありません。
誰もやりたがらないし国も許可を出したがらないでしょう。

 

私が学生の頃は、企業も国もウイルス学や遺伝子治療にばかりカネと人が集中して公衆衛生や寄生虫学がどんどん衰退していってると言われたものです。
同じように現在はがん研究などにカネが集中して感染症は研究を維持することもできず、人はいなくなり研究室の閉鎖が相次いでいるそうです。
製薬企業も財界も営利団体ですから、目先のカネに飛びつくのは当然だし仕方ないところはあると思います。

 

ですがエイズ・エボラ・ジカ熱など危険な感染症は途切れることなく世界のどこかで蔓延しているわけです。
いざそういう病気のパンデミックが起きてから泥縄的にどうにかしようとしても手遅れです。
自衛隊みたいなもので、安全を保証するための保険と考えればよいのです。
無駄金遣いになってくれるならそれに越したことはありませんし、友好国を助けることもあるかもしれません。

 

呑気に事業仕分けなんてやってないで、国民の安全にかかわる事業くらいちゃんと予算をつけてもらってもいいのではないでしょうか。